子どもと買い物に行くこと、食育にどう繋がりますか
子どもと買い物に行くこと、食育にどう繋がりますか
共働きで日々忙しい中で、子どもを連れての買い物は負担に感じることもあるかもしれません。しかし、買い物は食育において非常に多くの学びが得られる貴重な機会となります。
なぜ子どもとの買い物が食育になるのですか
買い物は、子どもたちが食べ物やそれを取り巻く世界について多様な角度から学ぶ場となります。
- 食べ物への関心を持つ機会: 様々な食材を目にし、色や形、大きさ、匂いなどを五感で感じることができます。普段食卓に並ぶものが、どこで、どのような状態で売られているのかを知ることで、食べ物への関心が深まります。
- 食べ物がどこから来るのかを知る: 野菜や果物が並ぶ様子、魚や肉が並ぶ様子を見ることで、食べ物がパック詰めされる前の状態や、それがお店に並ぶまでの過程の一端に触れることができます。産地表示を見る習慣をつけることも、食べ物の背景を知る第一歩となります。
- 旬や季節を感じる: 季節ごとに並ぶ野菜や果物が変わる様子を見ることで、旬の食材があることを学び、季節の移り変わりを感じ取ることができます。
- お金や計画性について学ぶ: 買うものを一緒に選ぶ際に「今日はこれだけ買おうね」「これはいくらかな」といった会話をすることで、お金の価値や、必要なものを計画して買うことの重要性を伝えるきっかけになります。
- コミュニケーションの機会: 保護者と一緒に商品を選んだり、「これ食べたいな」「これはどうやって食べるの?」といった会話をしたりすることで、自然な形で食に関するコミュニケーションが生まれます。
このように、買い物は単に食材を購入する行為ではなく、子どもたちの食に関する知識や興味を育む多角的な学びの場となり得ます。
子どもとの買い物で食育を実践するにはどうすれば良いですか
時間がない中でも、少しの意識と工夫で、子どもとの買い物を食育に繋げることができます。
- 買い物リストを一緒に確認する: 家を出る前に、今日買うものを子どもと一緒に声に出して確認します。「今日はにんじんとたまごを買うよ」など、具体的に伝えることで、買い物の目的を共有できます。
- 売り場で子どもに選ばせてみる: 例えば「今日のにんじんはどれにする?」と問いかけ、子どもに選ばせてみます。形や大きさの違いに気づいたり、自分で選んだものを食べることに達成感を持ったりする効果が期待できます。ただし、時間がない時は無理強いせず、可能な範囲で行うことが大切です。
- 旬の食材を話題にする: 売り場に並んでいる旬の野菜や果物を指差して、「今はこれが美味しい季節だよ」「この前食べた〇〇も旬だったね」などと話してみます。
- 簡単な食品表示を一緒に見る: 例えば、子どもが好きなものの原材料名や、どこで作られたかなど、簡単な部分だけ一緒に見てみます。全てを理解させる必要はなく、「こういう情報が書いてあるんだね」と認識させることから始めます。
- 買ってきたものを一緒に片付ける: 帰宅後、買ってきた食材を一緒に冷蔵庫やパントリーにしまう作業をします。「野菜はここに置こうね」「これは冷たいところにしまおうね」などと話しながら行うことで、食べ物の扱い方や保存場所について学ぶことができます。
- 完璧を目指さない: 毎日、全ての買い物を子どもと一緒に行ったり、毎回丁寧に食育の解説をしたりする必要はありません。時間や心に余裕がある時に、できることから少しずつ取り入れてみてください。短時間でも、子どもが売り場の雰囲気を感じたり、保護者が食べ物を真剣に選ぶ姿を見たりするだけでも、十分な学びになります。
子どもとの買い物は、保護者にとっては手間が増えるように感じることもあるかもしれませんが、子どもにとっては食の世界を広げる貴重な体験です。無理のない範囲で、買い物を食育の機会として活用してみてください。