子どもが食事中にスマホやテレビを見ています 食育ではどう考えどう対応する?
Q 食事中のスマホやテレビについて、食育ではどのように考え、家庭ではどのように対応すれば良いですか。
A 食事中のスマホやテレビ視聴は、食育の観点からいくつかの影響が考えられます。その理由と具体的な対応策について解説します。
なぜ食事中のスマホやテレビが食育に関係するのか
食事中のスマホやテレビ視聴は、「ながら食べ」の状態を招き、食育の重要な要素に影響を与える可能性があります。
- 味覚や満腹感への影響: 画面に意識が集中することで、食べ物の味、匂い、食感などを十分に感じ取りにくくなります。これにより、食べる楽しみが損なわれたり、脳が食事に集中しないため満腹感を感じにくくなったりする可能性があります。
- 家族とのコミュニケーション減少: 食事の時間は、家族が顔を合わせ、一日の出来事を話したり、互いを気遣ったりする貴重なコミュニケーションの機会です。スマホやテレビを見ていると、会話が減少し、家族の絆を深める機会が失われます。
- 食事への関心の低下: 食事が単に空腹を満たす行為となり、食べ物がどこから来たのか、どのように作られているのかといった背景への関心が薄れることがあります。これは食への感謝や理解を育む上で妨げとなる可能性があります。
- 食べる姿勢やマナーへの影響: 画面に夢中になることで、食べる姿勢が悪くなったり、食器の使い方などが疎かになったりする可能性があります。
食事中のスマホやテレビにどう対応するか
食育の観点から、食事中はメディアから離れ、食事そのものや家族との時間に向き合うことが理想的です。家庭でできる具体的な対応策を以下に挙げます。
- 家庭のルール作り: まずは「食事中はスマホやテレビを消す」「食事中はテーブルにスマホを持ち込まない」など、家庭内でルールを明確に設定します。子どもにも分かりやすい言葉で、なぜそのルールが必要なのか(例:「おいしいね、楽しいねとお話するためだよ」「ご飯の味をしっかり味わうためだよ」)を伝えます。
- 親も一緒に実践する: 親自身も食事中にスマホをチェックしたり、テレビを見たりしないよう心がけることが重要です。大人が率先して行動することで、子どもはルールを理解しやすくなります。
- 食事に集中できる環境作り: 食事の準備を整え、テーブルの上を片付けるなど、食事に集中しやすい環境を整えます。BGMを流す場合は、会話を妨げない静かなものを選ぶと良いでしょう。
- 食事中の会話を意識する: 食べることに意識が向きやすくなるよう、「この野菜甘いね」「今日のスープ、いい匂いだね」など、食事に関するポジティブな声かけをします。また、子どもの今日の出来事を聞いたり、親の体験を話したりするなど、食事中の楽しい会話を積極的に促します。
- 段階的な取り組み: これまで日常的に「ながら食べ」をしていた場合、急に完全に禁止するのが難しいこともあります。まずは食事の最初だけでも消してみる、時間を決めて見る時間を設けるなど、家庭の状況に合わせて段階的に取り組むことも一つの方法です。大切なのは、食事の時間を家族で共有し、食べ物に関心を向ける機会を増やすことです。
食事中のスマホやテレビへの対応は、単なるマナーの問題ではなく、子どもが食を大切にする心を育み、家族との豊かな時間を過ごすための食育の一環と捉えることができます。家庭で無理のない範囲でルールを設け、継続的に取り組むことが推奨されます。