食育のなぜ?どうする?

時間がないときの食事 食育のポイントは何ですか

Tags: 食育, 共働き, 時短, 食事, 子育て

はじめに

共働きなどで日々忙しく過ごされている保護者の方にとって、食事の準備は大きな負担となることも少なくありません。時間がない中で、子どもにどのような食事を与えれば食育になるのか、簡単な食事で済ませてしまうことに後ろめたさを感じるという声も聞かれます。

食育は、何も特別なことだけを指すわけではありません。日々の生活の中で、無理なく継続できる範囲で取り組むことが大切です。ここでは、時間がないという状況の中でも、食育の視点から大切にしたい考え方と具体的なポイントについて解説します。

Q1: 忙しい時、簡単に済ませてしまうのは食育的に問題ですか?

食事を簡単に済ませてしまうこと自体が、直ちに食育として問題があるわけではありません。食育の目的は多岐にわたります。栄養バランスのとれた食事を摂ることはもちろんですが、他にも、食に対する感謝の気持ちを育むこと、家族や仲間と一緒に食事をする楽しさを知ること、地域の食文化や伝統を学ぶことなど、様々な側面があります。

時間がない時に、全ての要素を満たす完璧な食事を用意することは難しいかもしれません。しかし、例えば短時間でも家族と一緒に食卓を囲むことで、コミュニケーションや食事の楽しさを共有することは可能です。また、簡単に済ませる場合でも、食材を選んだり、盛り付けを工夫したりすることで、食への関心を促すこともできます。

完璧主義にならず、「何のために食育をするのか」という本質を見失わないことが重要です。忙しい状況の中で何ができるのか、優先順位を考えて取り組む視点が大切です。

Q2: 時間がない中で、食育のために具体的にどのようなことができますか?

時間がないという状況でも、食育の視点を取り入れるための具体的な方法はいくつか考えられます。

まず重要なのは、「完璧を目指さない」という姿勢です。毎日全てを手作りし、栄養バランスも完璧に整えることは現実的ではない場合が多いでしょう。市販品や冷凍食品、カット野菜などを賢く活用することも、忙しい現代において大切な工夫です。

次に、食事を「体験」と捉える視点です。調理に時間をかけられなくても、子どもと一緒に食卓の準備をする、食べ終わった食器を一緒に片付ける、といったお手伝いは立派な食育です。食事のプロセスに関わることで、子どもは食への関心を高め、手伝うことの喜びや達成感を得ることができます。

また、「一緒に食べる時間」を意識することも大切です。たとえ短時間であっても、家族で食卓を囲み、今日あった出来事を話したり、食べ物の感想を伝え合ったりすることは、子どもの心の成長に良い影響を与えます。これが、食育の目指す人間関係やコミュニケーション能力を育む側面に繋がります。

栄養バランスについては、一回の食事で全てを完結させる必要はありません。一日の食事全体や、あるいは数日間の食事の中で、バランスが取れているかを大まかに考えるようにします。時間があるときに作り置きをしたり、冷凍保存できるおかずを活用したりするのも有効な手段です。また、食材の色を意識して食卓に並べるだけでも、自然と様々な栄養素を含む食材を取り入れることにつながります。

「いただきます」や「ごちそうさま」といった挨拶を丁寧にすることも、食への感謝や命をいただくことへの意識を育む大切な習慣です。忙しい中でも、この習慣は実践しやすい食育の一つと言えます。

まとめ

時間がないという状況は、食育に取り組む上でのハードルになり得ますが、食育は様々な側面を持つため、工夫次第でできることはたくさんあります。完璧を目指すのではなく、できることから取り組む姿勢が大切です。

家族で一緒に食卓を囲む時間を大切にする、食事の準備や片付けに子どもに関わってもらう、市販品なども賢く活用しながらバランスを意識する、といった具体的な方法を取り入れることで、忙しい毎日の中でも無理なく食育を実践していくことができるでしょう。