食育のなぜ?どうする?

外食・中食が多い家庭の食育、どうすれば良いですか

Tags: 食育, 外食, 中食, 共働き, 時短

Q: 外食や中食が多い家庭でも、食育はできますか?どのように取り組めば良いですか?

共働きで時間がないため、どうしても外食や持ち帰り、お惣菜などで食事を済ませることが多くなります。子どもに十分な食育ができているか心配です。このような状況でもできる食育はありますか?

A: 外食や中食が多いご家庭でも、食育に取り組むことは十分に可能です。

食育は、単に自宅で手作りの料理を毎日食べさせることだけを指すのではありません。食を通して、心と体の健康を育み、食に関する様々な知識や選択する力を身につけ、感謝の心や社会性を育むこと全般を含みます。外食や中食が多い状況でも、工夫次第で多くの食育の機会を作ることができます。

食育の「なぜ?」:なぜ外食・中食が多い家庭でも食育が大切か

外食や中食が多いと、どうしても栄養バランスが偏りやすくなったり、食材の旬や調理法について知る機会が減ったりすることが懸念されます。しかし、だからこそ、限られた機会の中でどのように食と向き合うかが大切になります。

食育は、子どもが一生涯にわたって健やかに生活するための基礎を築くものです。多様な食体験を通じて、好き嫌いを減らしたり、自分の体に必要なものを選ぶ力を養ったりすることは、将来の健康につながります。また、食事の時間を家族で共有することは、コミュニケーションを深め、子どもの安心感を育む大切な機会となります。

食育の「どうする?」:外食・中食中心でもできる具体的な方法

  1. 選ぶ力を育む:

    • 外食や中食を選ぶ際に、子どもと一緒に「どれにする?」「今日は野菜が多いものを選んでみようか」などと話し合う時間を持つだけでも、食への関心を高め、自分で選ぶ練習になります。
    • メニューを見ながら、「この野菜は何だろう?」「これはどうやって作られているのかな?」など、簡単な会話をすることも学びにつながります。
  2. 一品加える工夫:

    • 全て中食やお惣菜に頼るのではなく、味噌汁だけは手作りする、カット野菜を使って簡単なサラダを添える、果物を切って出すなど、何か一品でも家庭で作ったものを加えるだけでも食卓の質は変わります。子どもが自分で洗ったり、ちぎったりできる簡単な手伝いをしてもらうのも良いでしょう。
  3. 盛り付けを大切に:

    • 買ってきたお惣菜なども、パックのままではなくお皿に盛り付けるだけで、より丁寧な食事の雰囲気になります。子どもと一緒に盛り付けを工夫するのも楽しい時間です。
    • 彩りを意識する、様々な形のお皿を使ってみるなど、視覚からも食事を楽しむ工夫を取り入れられます。
  4. 食事中のコミュニケーション:

    • 食卓での会話は何よりも大切です。「今日のこれ、美味しいね」「どんな味がする?」「これは〇〇さんが作ったんだよ」など、食事の内容や作ってくれた人への感謝など、食に関するポジティブな会話を心がけてください。
    • 「ごちそうさま」「いただきます」といった挨拶をしっかりとすることも、食への感謝の気持ちを育む第一歩です。
  5. 完璧を目指さない:

    • 毎日理想的な手作り料理を提供することは、多くの共働き家庭にとって現実的ではありません。罪悪感を感じる必要はありません。できる範囲で、無理なく続けられることから始めてください。
    • 「今日はこれができた」と、できたことに目を向ける姿勢が大切です。週に一度でも、月に一度でも、家族で一緒に料理をする日を設けることも良い経験になります。

外食や中食が多い状況でも、食に対する意識を持ち、食事の時間そのものを大切にすることで、子どもに豊かな食体験を提供することは可能です。完璧な食卓を目指すのではなく、今の生活の中でできる小さな工夫を積み重ねていくことが、継続的な食育につながります。